HYOD PRODUCTSがレザースーツを始めとするライディングウエアの発売を開始して、はや5年。その中で、より動き易く、そしてより安全性の良いプロテクターの開発で発見したのが、驚異の衝撃吸収素材D3O®でした。この素材はイギリスのD3O®lab社が開発・製造し、簡単に言えば、受ける衝撃の強さで分子の結束が変化する素材です。何も衝撃が加わっていないときや衝撃が弱いときには、分子同士は自由に動き、素材は非常に柔軟です。それが一度、強い衝撃を受けると、瞬時に分子同士が手を繋ぐように結束して、網=ネットのような状態になり衝撃を吸収し分散します※。そして、衝撃が弱く、または無くなってしまうと、分子の結束は解かれ、元の柔軟な状態に戻るのです。分子自らが衝撃の強さを感知し、結束を変化させ、そして復元することから“intelligent shock absorption” 、すなわち知的衝撃吸収と呼ばれています。
- ※プロテクション素材自体が、金属の様に硬く(ハード)固まり衝撃を拡散するものではありません。
たとえば、上手い野球選手やサッカーのゴールキーパーは、ボールを受けるときに、衝撃を和らげるために少しグラブや手を引きながら捕球します。手に充分な力が入っていなければ、ボールに弾かれてしまいますし、逆に強く突っ張っていたのでは、ボールの衝撃をモロに受け相当痛く、正確な捕球もできないでしょう。D3O®は上手い選手と同じで、衝撃の強さに応じて吸収・分散するのです。
また、D3O®は、バイクのサスペンションとも似ています。サスは大きな入力があればダンパーが強く効き、小さいと弱く、そして元の状態に戻ります。ヘルメットのライナーやクルマのボディは、衝撃を吸収・分散しますが、自らが壊れることで行っているので元の状態に戻れず、2次衝撃が同じ個所にあった場合は、機能を充分に発揮できません。一方D3O®は元に戻り同じような能力を維持していきます。
D3O®のベース材は、オレンジ色のベトベトした粘度(スライム)のような物で、これを成型してウエアなどのプロテクション材として使えるようにします。成型された物はメッシュ状など何タイプもありますが、D3O®は柔軟なので、ライダーの動きや姿勢で変化するような個所に使えるのも特徴です。レザースーツに採用されている、ヒップ部分などハードシェルを使えない個所(正確には使えても、動きを妨げてしまう箇所)には最適で、膝、肘、肩などはハードシェルと組み合わせることでプロテクション効果が一段と高くなります。
D3O®はすでにスキー、自転車、登山用のプロテクター、スポーツ用シューズ、バレエシューズなどに使用されています。HYODではレザースーツ本体をD3O®lab社に送り、コンセプトやその製品作りが認められ、今回、正式採用となったのです。HYODレーシングスーツへのD3O®プロテクションの開発にあたっては、2007年よりD3O®ラボの全面的な協力体制のもとでスタートしました。そして、2008年の鈴鹿8時間耐久ロードレースにおいては、見事優勝を収めたホンダレーシングの清成龍一選手のレーシングスーツや、数回の転倒にもかかわらず、怪我もなく8時間の長丁場を、4位入賞で完走したヨシムラスズキの加賀山就臣選手や秋吉耕佑選手のレーシングスーツにもD3O®プロテクションを採用し、実戦で使用することでその効果を実証しています。

リチャードパーマー氏により2001年にイギリスで設立。
D3O®テクノロジーと称される、衝撃から守る柔軟なプロテクション素材をD3O®ラボが革命的に発見する。D3O®は「intelligent shock absorption」という名の通り、知的な分子を持ち、衝撃を吸収、拡散する素材で、通常は好きなように動いているが、衝撃を受けると瞬時に分子同士が結合し、衝撃エネルギーを吸収、拡散する。
衝撃に対してD3O®は優れたショックアブソーバー、インパクトアブソーバーの働きをするのが特徴。しかも衝撃がなくなるとまた元通りの状態を取り戻すという特性をもつ。
衝撃を吸収するのと同時に、自由な動きも必要とするような場において、その応用可能性が高く、世界的に注目を集めている。
http://www.d3o.com